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健康・医療

コワい不整脈・QT延長症候群② 拍動を遅くする薬物療法が基本

<「コワい不整脈・QT延長症候群① 突然死につながる不整脈の危険アリ!?」の続きです。>

QT延長症候群(QTとは心電図の「QT間隔」という時間のこと)は、先天性のものと後天性のものがあります。生まれつきのものは学童期などに発見されるケースが多いです。その頻度は約2,500人に1人といわれ、異常となる遺伝子も判明しています。後天性のものは、抗不整脈薬の副作用などで起こります。

いずれの場合も、怖いのは「心室頻拍(しんしつひんぱく)」や「心室細動(しんしつさいどう)」といった危険な不整脈を合併しやすいことです。心室が異常に速いスピードで収縮するもので、「めまい」や「失神」「けいれん」などの症状が現れます。時に、突然死につながることもあります。

薬の効果がなければ除細動器を植え込む

QT間隔の延長がそれほど長くない軽度の場合は、1年に1回ほど、心電図検査で経過を観察します。中等症以上場合は、「β(ベータ)遮断薬」による治療が基本です。これは降圧薬としてもよく用いられる薬で、交感神経の働きを抑えて、心臓の拍動を遅くしてくれます。

薬で十分な効果が得られない場合や失神などの症状がある場合は、「植え込み型除細動器」や「ペースメーカー」による治療を検討します。

循環器専門医のもとで詳しい検査を

QT間隔の延長は、健康な人でも見られるものですし、それほど珍しいものではありません。健康診断などでは、少しでもQT延長の疑いがあれば指摘することが原則となっていますから、詳しい検査の結果、「異常なし」ということもよくあります。

重要なのは、QT延長が危険な不整脈につながるものかどうかの見極めです。QT延長の程度やT波の波形、特殊な不整脈の有無、失神の既往、家族歴などから、総合的に判断されます。さらに、ホルター心電図や運動負荷心電図、薬物負荷試験のほか、遺伝子検査を行うことで、確定診断をします。

健康診断などでQT延長といわれたら、循環器専門医を受診して、必ず詳しい検査を受けるようにしてください。なお、先天性のQT延長症候群だった場合、両親や兄弟もその可能性がありますから、検査を受けることが勧められます。