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抗不整脈薬の基礎知識① 心臓の拍動を整えて、リズムをコントロールする

公開日:2018年7月25日
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心臓は1分間に60~100回、拍動しています。心臓の「洞結節(どうけっせつ)」という部位から発生した電気刺激が順序よく心臓の各部位に伝わることで、規則正しい拍動を繰り返しています。

拍動の正常なリズムのことを「洞調律(どうちょうりつ)」といい、それが崩れた状態が「不整脈」です。不整脈治療の大きな柱となるのが、「抗不整脈薬」。心臓の拍動を洞調律に安定させる薬で、作用のしかたによって4つに分けることができます。

ナトリウムチャネル遮断薬

心臓の拍動には、電気を帯びた「イオン」が関わっています。ナトリウムイオンもその1つ。電気刺激が伝わってナトリウムイオンが心筋細胞に入ると、心筋が収縮します。洞結節や房室結節(ぼうしつけっせつ)以外の刺激伝導系細胞や普通の心筋(心臓の筋肉)では、ナトリウムイオンの流入速度が速いほど電気刺激の伝わる速度が高まります。

ナトリウムチャネル遮断薬は、ナトリウムイオンの専用の通路(チャネル)を遮断して、ナトリウムイオンの流入速度を落とすので、電気刺激の伝導を抑えることで、不整脈を治療します。ただし、問題点の1つに、心筋の収縮力を抑えることで、副作用につながることがあります。

カルシウム拮抗(きっこう)薬

カルシウムイオンは特に洞結節や房室結節での電気刺激の伝わり方に関係しています。カルシウム拮抗薬は、カルシウムイオンの通路を遮断して、洞結節からの電気刺激の発生や、房室結節での伝導を抑え、不整脈を治療します。

カリウムチャネル遮断薬

カリウムイオンは、カルシウムイオンやナトリウムイオンとは異なる働きをしています。

カリウムイオンが心筋細胞の外に出るのは、ナトリウムイオンやカルシウムイオンが心筋内に流入して活動電位がプラスに変化した際で、活動電位をよりマイナス側、つまり元に戻す作用をもっています。いつまでもプラスにあると、その間心筋は次の電気刺激に対して反応しない「不応期(ふおうき)」になるので、カリウムを細胞の外にくみ出して不応期を解消させるように働いています。

このカリウムの通路を遮断するのが、カリウムチャネル遮断薬で、結果として活動電位がいつまでもプラス側にとどまり、不応期を長くして、次の電気刺激をそこでせき止める効果があります。

β(ベータ)遮断薬

心臓の拍動は、自律神経でコントロールされています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、どちらが活発になるかで、心臓の活動状態が変わってきます。

交感神経が活発になると、ノルアドレナリンという神経伝達物質が分泌されて、心筋のβ受容体に結合します。すると、心臓の収縮力が強くなり、心拍数が増えて、頻脈性不整脈が起こりやすくなります。

β遮断薬は、ノルアドレナリンよりも先にβ受容体に結合して、心臓の働きを抑え、不整脈を防ぐように作用する薬です。

<続きは「抗不整脈薬の基礎知識② 副作用は大丈夫? ずっとのみ続ける」をご覧ください。>