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健康・医療

知っておきたい降圧薬の話① 「αβ遮断薬」 交感神経の働きを抑制する

公開日:2018年7月25日
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降圧薬のなかには、スイッチヒッターのように2つのどちらにも役立つタイプの「αβ(アルファベータ)遮断薬」というものがあります。

先回りをして血圧上昇を妨げる

交感神経が優位になると、末梢(まっしょう)の交感神経や副腎から「カテコールアミン」という物質が分泌されます。このカテコールアミンが、細動脈の壁の筋肉などにある「α受容体」や、心臓の筋肉などにある「β受容体」に結合することで、血圧が上がります。

αβ遮断薬は、カテコールアミンの先回りをして、α受容体とβ受容体に結合して鍵穴を塞ぎます。カテコールアミンが、α受容体やβ受容体に結合できなくすることによって血圧を下げる薬です。

αβ遮断薬は、β遮断薬の一種

降圧薬の1つに、β受容体だけに作用する「β遮断薬」があります。αβ遮断薬は、β受容体とともにα受容体もある程度ブロックしますが、位置づけはβ受容体を塞ぐβ遮断薬の一種です。

ですから、αβ遮断薬も、β遮断薬と同じように、気管支ぜんそくがある人には使いません。また、心拍数を遅くするので、1分間の脈拍数が異常に遅くなる「徐脈性不整脈」の人への使用も避けます。

β遮断薬にはないメリットもある

β遮断薬の仲間でありながら、αβ遮断薬にはβ遮断薬にはないメリットもあります。β遮断薬は末梢の血流を減らしますが、αβ遮断薬は、末梢の血流に大きく影響しないか、増やすこともあります。また、αβ遮断薬は、血糖の代謝に影響を及ぼさないことです。その意味では、糖尿病の人にも使いやすい降圧薬です。

こうしたβ遮断薬とは異なる性格が評価され、最近はβ遮断薬を使う必要のある場合には、αβ遮断薬を選択するケースも増えているようです。

また、少量のαβ遮断薬は、心不全の患者さんの予後を改善するので、心不全ではよく使用されます。