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健康・医療

若者はとにかく肥満対策! 医療費の節約に効果あり

公開日:2019年4月17日
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肥満は、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病をはじめとした、さまざまな病気の原因になります。肥満の人はそうでない人に比べ、約3割も医療費が多くかかるということをご存じでしょうか。

しかも、肥満の人で糖尿病や高血圧などの合併症があると、肥満ではなく何の合併症もない人に比べ、医療費は約7~9割増加するという報告もあります。

肥満予防で40歳代からの医療費に差が!

日本の健康保険制度では、自己負担は一般に3割のうえ、収入によって高額医療費の上限が定められています。このため、ふだんはそれほど医療費が高いと感じない人が多いかもしれません。けれども、実際には肥満というだけで、そうでない人に比べ、多くの経済的負担がかかっており、合併症で薬を定期的に服用するようになると、さらに負担が大きくなるのです。

しかし、一見奇妙なことに思われますが、個人の生涯の医療費を見ると、肥満の人の方がむしろ少なくなります。これは、肥満の人が一般に早く亡くなってしまうので、その先の医療費がかからなくなるためです。例えば、日本糖尿病学会の調査によれば、糖尿病の患者さんの平均死亡時年齢は、男性71.4歳、女性75.1歳です。合併症がある人の寿命は、平均寿命よりずいぶんと短くなることがわかります。さんざん医療のお世話になったあげく、早死にしてしまうのは本当に悲しいことです。

肥満が高める「将来働けなくなるリスク」

若いうちから食事や運動で肥満対策をすれば、生活習慣病のリスクが下がり、40~70歳代では健康に暮らせる年数が寿命の伸びを上回って増え、いわゆる“健康寿命”の延伸が見られます。

しかし、80歳代以上になるとこうした効果は失われて行きます。OECD(経済協力開発機構)の調査では、こうした現象は各国で共通しており、肥満対策で得られた中年期の医療費の削減効果は、長寿化した高齢者の医療費の増大で相殺され、主要な慢性疾患に対する医療費の削減効果は、せいぜい1%程度にとどまると推計されています。健康寿命の延伸は、死ぬ直前まで元気で過ごす、いわゆる「ぴんぴんコロリ」を必ずしももたらすわけではなく、健康状態が悪化し医療費のかかる期間が先延ばしになる可能性が高いのです。慢性疾患の予防が医療費の削減をもたらすとする考えは、いささか楽観的な見方かもしれません。

むしろ、肥満や生活習慣病の予防は、労働面での生産性アップという効果に、もっと注目すべきかもしれません。

生活習慣病は、40~50歳代という、働き盛りの年代を襲います。この年代は、住宅ローンや子どもの教育費など、とてもお金がかかります。そんなときに病気になれば、働けなくなったり、これまでどおりの仕事を続けられなくなったりすることもあります。一生のなかで最もお金を稼がなくてはいけない時期にこのような状況になることのデメリットは、とても大きいものです。

生産年齢人口が今後急激に減少していく日本の社会全体で見ても、中高年の労働力が失われることのデメリットが大きいのはいうまでもありません。

生活習慣病は、長年の習慣が積み重ねられて発症するもの。できるだけ若いうちに食事や運動で肥満対策をとることが、健康で長生きし、社会にも貢献することにつながるのです。