まいにち健康チェック
健康・医療

認知症の原因でいちばん多いのはアルツハイマー病

公開日:2019年4月17日
タグ:

厚生労働省によると、高齢者(65歳以上)の「認知症」患者数は、2012年には約462万人で、高齢者の約7人に1人と推計されています。

2012年以降も糖尿病有病率の増加によって認知症の患者が上昇すると仮定した場合、2025年には約730万人(高齢者の約5人に1人)、2060年には約1,154万人(高齢者の約3人に1人)が認知症を発症すると予測されています。超高齢社会を背景に認知症患者は増加の一途をたどると考えられており、介護の負担や医療費の増加など、大きな社会的課題となっています。

神経細胞が死滅し、脳が徐々に萎縮する

認知症とは、病気など何らかの原因によって脳が障害を受け、記憶力や理解力、思考力などの認知機能が低下し、日常生活にさまざまな支障を来す状態をいいます。認知症は原因によっていくつかのタイプに分けられますが、高齢者の認知症の原因で最も多いのが「アルツハイマー病」であり、「アルツハイマー型認知症」と呼ばれています。

アルツハイマー病では、脳の神経細胞にアミロイドβたんぱくという物質が蓄積し、顕微鏡で観察すると染みのような老人斑(アミロイド斑)が沈着して見えます。アミロイドβたんぱくは、本来は分解されてしまいますが、加齢などによって分解能力が低下し蓄積されると、脳の神経細胞が障害を受けます。また、アミロイドβたんぱくが蓄積する過程で、脳内にリン酸化タウと呼ばれる物質が現れ、神経細胞の死滅が加速します。

これらの変化が起こると、脳の深い場所にあり、短期の記憶をつかさどる海馬を中心に萎縮が徐々に始まり、物忘れなどの記憶障害が起こります。やがて、萎縮は脳全体に広がり認知機能全般が低下し、さまざまな症状が現れます。

生活習慣病はアルツハイマー病の引き金に

アルツハイマー病の発症が多く見られるのは、70~75歳といわれています。アミロイドβたんぱくは、アルツハイマー病を発症する20年ほど前からゆっくりとたまり始めることがわかっています。したがって、個人差はありますが、50歳代ごろからアミロイドβたんぱくが蓄積し始める可能性があると考えられます。

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、アルツハイマー病の発症に大きく関係していることがわかっています。特に、糖尿病があると、アルツハイマー病が起こる危険性が高まると考えられています。そのため、アルツハイマー型認知症を防いだり、発症を遅らせたりするためには、生活習慣の改善が重要になってきます。