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血中脂質を減らすガラクタン《さといも》

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公開日:2019年10月25日
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ぬめり成分に薬効がある

さといもの主成分はでんぷんですが、水分が多いため、ほかのいもに比べると低エネルギーです。体内の塩分を排出するカリウムや、腸内環境を整える食物繊維、糖質をエネルギーに換える働きをするビタミンB1、代謝に関わるモリブデンなども含まれます。
皮をむくときにぬめるのは、ガラクタンなどの多糖類の粘液成分のため。ガラクタンは中性脂肪を減らして動脈硬化を防ぐほか、人の消化酵素では分解できないため、たくさん摂取しても脂肪にならないというメリットがあります。粘液成分は粘膜を保護するため、胃腸を保護したり細菌が侵入するのを防ぐ効果があります。
さといもの歴史は古く、縄文時代に渡来して以来、日本人の主なエネルギー源として食されてきました。じゃがいもやさつまいもが江戸時代に入ってくるまでは、いもといえばさといもを指しました。
さといもは中心に親芽ができて、その周りに子いも、孫いも、ひ孫いもができるため、子孫繁栄の縁起物としてお正月料理に使われる食材です。スーパーに売られているさといもは、「土垂」という関東地方で多く栽培されている子いも品種ですが、ほかにもゴツゴツとした親いもと子いもが結合した「八ツ頭」や、エビのように曲がった京都の伝統野菜である「海老いも」なども流通しています。

英名 Taro
和名・別名 里芋、畠芋、宇毛
エネルギー(100g中)58kcal
糖質量(100g中)10.8g

1個あたり:50g
正味:45g/26kcal

食品成分表(可食部100gあたり)
たんぱく質……1.5g
脂質……0.1g
炭水化物……13.1g
無機質
 カルシウム……10mg
 鉄……0.5mg
ビタミン
 A β-カロテン当量……5μg
 B1……0.07mg
 B2……0.02mg
 C……6mg

食品特性
五味…甘・辛
五性…平
帰経…脾・小腸

保存法
土がついたまま新聞紙などで包み、風通しのよい冷暗所に保存。冷蔵庫に入れると、低温障害を起こし、傷みやすくなる。

おいしさの見分け方
なるべく泥付きのもの
実がかたくしまっていて重い
しま模様が均等に見える

さといもの種類

土垂(どだれ)

八ツ頭
親いもと子いもがかたまりになっている。粉質でホクホクとしていて食感がよく、縁起物としておせち料理にも。

セレベス
ホクホクとして、ぬめりは少ない。別名は赤芽。

海老いも
京都の伝統野菜。ねっとしりた食感と旨みが特徴。

ずいきといもがら
さといもやはすいもの葉柄をずいきと呼び、皮をむいてゆでてから食べる。ずいきを乾燥させたものがいもがら。

さといも 豆知識

切ったら中が赤い

カットしたら中に赤い斑点があったり、外側が赤くなっていることがあるが、これはポリフェノールの一種アントシアニンが酸化したため。収穫後、時間が経ちすぎた場合に現れる。食べても問題はないが、風味が落ちていることが多いので早めに食べるように。

ガリガリとした食感のさといも

調理してもガリガリとした食感のするさといもは「水晶症」という生理障害のせい。子いもが太る過程で孫いもにでんぷんを取られてしまい、かたい食感になってしまったもの。いくら煮てもやわらかくならないので、薄くスライスするなど食感が気にならない工夫を。

栄養分を逃さないように皮のまま蒸す

さといもにはナトリウムを排出して血圧の上昇を抑える働きのあるカリウムが豊富。カリウムは水に溶ける性質があるので、泥をよく洗ったら皮のまま蒸して調理するのがおすすめ。皮をつるっとむきやすくなる上、カリウムの流出を抑えることができる。

味を染み込みやすくするには

さといもにはぬめりがあるので、そのまま煮込んでも調味料が中心まで染み込みにくい。中までしっかりと味を染み込ませるには、ぬめりを取る下処理を。
皮をむいたさといもに塩を振ってよく揉んで洗い流してからたっぷりの水でゆで、泡が出てきたら、水で洗い流してぬめりを取る。

包丁で皮をむく場合

水で洗ってから皮を包丁でむこうとすると、ぬめりで手が滑ってしまうが、しばらく置いて乾かすとむきやすくなる。

手が痒くなることがある

さといもにはやまいもと同じ、えぐみの元であるシュウ酸カルシウムが含まれる。シュウ酸カルシウムはトゲのような形をした結晶なので、皮膚に刺さると痒みを引き起こす。シュウ酸カルシウムは熱や酢に弱いので、酢に手をつけると痒みがやわらぐ。ゆでたさといもの皮を素手でむくときも、あらかじめ薄めた酢で手を濡らしながらむくとよい。

民間療法では打ち身や炎症止めに

すりおろしたさといもとしょうがに小麦粉を混ぜ、それを湿布として貼ると、肩こりや打ち身、乳腺炎や喉の痛みに効果があるとされてきた。直接肌に触れるとかぶれることもあるので、当て布をした上で患部に貼るとよい。これはさといもに多く含まれるカリウムによる浸透圧を利用したものと考えられる。

栄養ワンポイント

モリブデン

代謝を助けるミネラル

人が活動するのに必要な代謝に関わるミネラルで、肝臓や腎臓にあります。体に必要なモリブデン量は微量であることから、通常の食事から十分に摂取することができますが、欠乏すると貧血や頻脈、頭痛、夜盲症、尿酸代謝障害、不妊などになりやすくなるといわれています。食品の中に含まれる量は微量なので、正確に量を測ることはできませんが、さといもや豆類などに多く含まれています。

おすすめ 食べ合わせ

肝機能活性化