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ビタミンB群がたっぷり《豚肉》

関連書籍:からだのための食材大全
公開日:2019年10月25日
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ビタミンB1の宝庫

豚肉をよく食べる沖縄が長寿県なのも納得できる、高い栄養価を持つ食材です。ビタミンB1の含有量が食品の中でもトップクラスで牛肉の8~10倍。油との相性がよく、トンカツ、しょうが焼きなど、揚げる、焼く、炒めるなどの調理法がおすすめ。牛肉ほど部位による味の違いがありません。総じてやわらかく、脂肪もほどよくあります。
豚の起源はイノシシであり、イノシシを家畜化したものが豚です。イノシシは雑食性で群れをなして生活すること、多産であることなど、家畜化しやすい条件が揃っていました。『日本書記』、『万葉集』などにイノシシの記述がありますが、これらは豚を指し、古くから日本で豚が飼育されていたことがわかります。
一般的に豚肉を食すようになったのは19世紀になってからで、江戸や長崎など外国人の出入りが多い地域から始まりました。また、明治維新以降、コレラの流行で魚の生食が制限されたことで、安価であった豚肉に注目が集まり、現在に至ります。

エネルギー(100g中)263kcal(大型種ロース脂身付き)、253kcal(大型種かたロース脂身つき)
糖質量(100g中)0.2g(大型種ロース脂身つき)、0.1g(大型種かたロース脂身つき)

1枚(約7~15cm 厚み1.2cm)あたり:100g

食品成分表(大型種かたロース脂身つき 可食部100gあたり)
たんぱく質……17.1g
脂質……19.2g
無機質
 カルシウム……4mg
 鉄……0.6mg
ビタミン
 B1……0.63mg
 B2……0.23mg
 C……2mg

食品特性
五味…甘・鹹
五性…平
帰経…脾・腎・胃・肺

各部位の特徴

A かたロース
かたの肉でもロースに近い部分。赤身に脂肪が網状に入り、キメがやや粗くかため。スジ切りをしてから調理を。しょうが焼きやカレーなどに。

B ロース
ヒレに次ぐキメの細かさ。豚特有の香りがある厚い脂肪に覆われ、そこに旨みが凝縮されている。トンカツで人気の部位。

C バラ
肋骨周辺の肉。赤身と脂肪が層をなしている部位で三枚肉とも呼ばれる。骨つきがスペアリブ。ベーコン、リエットなどの加工肉や角煮に。

D かた
かたから上腕にかけての肉で、キメの粗い赤身肉。ややかたく、脂肪は少なめ。煮込むと深い味わいに。塩漬けや焼き肉、加工肉にも用いられる。

E ヒレ
1頭につき2本しかとれない細長い赤身肉。もっともキメが細かくやわらかい最上の部位で、ビタミンB1も豊富。ソテーやカツなどに。

F もも
牛肉同様、そともも、うちもも、しんたまの3つの塊からなる筋肉質な赤身。やわらかく、脂肪が少ない。焼き豚、蒸し豚、煮込みなどに。

豚肉 豆知識

豚肉の味はどうやって決まる?

これを導き出す方程式は、「豚の品種×エサ×育て方」。牛の方程式にはあって豚にないのが「熟成」。豚も熟成によって味がよくなる場合はあるが、牛ほどポピュラーではない。おいしい肉質になる豚はたいてい肉の量が少なく育てにくい品種なので、おいしさを求めるなら値段が高くなるのはいたし方ないところといえる。

スジを切り、おいしく食べる

赤身と脂肪の境目のスジに切れ目を入れる。厚みがある場合は裏面にも入れてから調理を。焼き縮み、反り返りが防げる。

「肉じゃが」の肉は豚肉? 牛肉?

“母の味”の代表的な料理である肉じゃが。一般的には関東風は豚肉、関西風は牛肉といわれているが、西のほうでも鹿児島、宮崎、沖縄は豚肉を使う場合が多いようだ。鶏肉でもおいしく作れる。

豚肉の輸入事情

豚肉は日本で消費されている約48%が輸入肉。米国とカナダが多くを占め、ほかにデンマーク、メキシコなど。よく目にするカナダ産は安くておいしいと人気。チルド(冷蔵パッケージ)の技術が飛躍的に進み、冷凍することなく輸送できるようになり、その輸送期間がちょうどよい熟成期間と重なり、やわらかくなるというわけ。安全性、エサの点でも問題のないとされるカナダポークに国産豚は脅かされている状況といえる。

豚肉のランク付け

牛肉のランクはよく耳にするが、豚肉にもランクはある。行っているのは「公益社団法人 日本食肉格付協会」という団体でランクは下から「等外、並、中、上、極上」の5段階。重量及び背脂肪の厚さの範囲、外観、肉質の3点から総合的に判断されているが、実際に販売されるときには表示されていない。

豚ホルモン

煮込みや鍋料理におすすめ

豚は鳴き声以外ぜんぶ食べられるといわれます。ホルモンの種類も豊富。栄養価も高い耳から足まですべてを味わってみましょう。

臭みの元は脂?

独特の臭みの原因は脂。店頭に並んでいる段階で、脂がきれいに取り除かれていることもあるが、白い脂がぎっしりとついていたら、この脂を手で取り除く。冷蔵庫から出してすぐに行えば、脂肪が固まっているので作業は楽。

A ガツ(胃)
弾力のある食感で淡白な味わい。臭みが少ないのでホルモンが苦手な人でも食べやすい。焼き物、炒め物、和え物、酢の物などに。

B ヒモ(小腸)、ダイチョウ(大腸)
小腸と大腸を合わせて「もつ」として販売されていることが多い。ダイチョウはシロとも呼ばれる。煮込みなどに。ちなみに直腸部分はテッポウ。

C ミミ(耳)
毛を除去した豚の耳をゆでるか蒸すかして千切りにした沖縄料理「ミミガー」が有名。中国料理でも多用される。スモークしてスライスした市販品も。

D トンソク(足)
じん帯や腱、結合組織からなり、骨と爪以外は食べられる。コラーゲンが豊富で長く煮込むとやわらかくなる。沖縄県、鹿児島県でよく食されている。

E ハツ(心臓)

クセや臭みはほとんどなく、食べやすい。筋繊維が細かく緻密で独特の食感。淡白で脂肪が少なく、ビタミン類、鉄などが豊富。

F レバー(肝臓)
牛同様、傷みやすいので注意。

G コブクロ(子宮)
弾力があり、やわらかく、淡白な味わい。低脂肪高たんぱくで、焼くほかに煮込み料理もおすすめ。通常市販されているのは若い雌豚のもの。

栄養ワンポイント

脂質(脂肪)

血管のトラブルを予防する

三大栄養素のひとつ(ほか二つはたんぱく質と炭水化物/糖質)であり、体にとって大きなエネルギー源となっています。ビタミン吸収のサポート、体の機能を整えるホルモンの材料、細胞膜を構成するなどの働きがあります。摂りすぎると生活習慣病を招く原因となり、逆に不足すると肌カサカサ、髪パサパサになりがちなので適度な摂取を。

ビタミンB1

炭水化物をエネルギーに換える

ご飯やパンなどの炭水化物を分解し、エネルギーに換えるためになくてはならないビタミン。糖質を分解する酵素の働きを助け、疲労回復にも役立ちます。豚ヒレ肉には牛肉の約10倍含まれており、含有量は全食品の中でもトップクラス。水溶性で排泄されやすいため、アリシンを多く含むにんにく、たまねぎ、ねぎ、にらなどの野菜と一緒に摂ると吸収がよくなります。

おすすめ 食べ合わせ

疲労回復