まいにち健康チェック
健康・医療

がんだけじゃない! 喫煙で脅かされる健康長寿

喫煙は、「肺がん」だけでなく、ほとんどすべてのがんのリスクを上げることが科学的に証明されています。たばこを吸う人は、吸わない人に比べ、およそ2倍もがんで亡くなるリスクが高くなるというデータもあります。

「死因ワースト3」は、すべて喫煙が影響

実はたばこの影響は、がんの発生だけにとどまりません。がんとともに日本人の死亡原因ワースト3に入る「脳卒中」と「肺炎」も、たばこによってリスクが高まることがわかっています。さらに、「虚血性心疾患」や「糖尿病」のリスクも上げます。

40~79歳の男女30万人を平均10年追跡調査した研究があります。それによると、「狭心症」や「心筋梗塞」などの虚血性心疾患で亡くなった男性のうち、喫煙が影響していたと考えられる割合は、がんが38.6%なのに対し、虚血性心疾患では44.1%。脳卒中でも10.4%と推計されました。

さらに女性の場合は、喫煙ががんによる死亡に影響する割合が5.2%なのに対して、喫煙が虚血性心疾患による死亡に影響する割合は15.2%、喫煙が脳卒中による死亡に影響する割合は6.2%。どちらの病気も、がん以上にたばこの影響を受けていることがわかります。

喫煙が動脈硬化を進行させる

たばこが、これらの病気のリスクを高める大きな理由が「動脈硬化」です。たばこには多くの有害物質が含まれ、血管の細胞を傷つけるとともに、悪玉の「LDLコレステロール」を増やすなど、複合的な働きにより動脈硬化を進行させます。

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、動脈硬化によって心臓の血管が狭くなったり、狭くなった血管に「血栓(血の塊)」ができて血流を妨げることで発症します。脳卒中に代表される「脳梗塞」もまた、動脈硬化により脳の血管が詰まることが原因です。

全身のあらゆる病気のリスクを高める

たばこの害は、ほかにもあります。長期的に有害物質を吸い続けることで肺に炎症が起き、慢性的に咳(せき)や痰(たん)が出たり、呼吸困難になることもあります。こうした「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は、喫煙者の15~20%に発症します。

また、たばこは胃や腸の血流を低下させ、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」を発生させます。さらに、ホルモンへ影響したり、糖質や脂質の代謝に異常を引き起こしやすくすることから、喫煙者はメタボリックシンドロームになりやすいこともわかっています。

このように喫煙は、日々あなたの体をむしばみ、老化を早め、命を縮め続けています。非喫煙者と比較して、喫煙者の寿命は約10年短くなるという報告もあります。言いかえれば、たばこをやめれば、こうした病気のリスクから身を守ることができ、寿命が延びるというわけです。今すぐにでも禁煙を始めて、健康長寿を手に入れましょう。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2018年3月21日)。