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こころ

うつ病の治療は、「3本柱」

公開日:2017年11月28日
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うつ病は、精神疾患の代表格ともいわれます。誰にでも起こる可能性があるうえ、はっきりした原因もまだわかっていません。

脳内で複雑な変化が起こっている

うつ病が起こる仕組みについては、以前は「モノアミン仮説」という考え方が一般的でした。

脳では、無数の神経細胞がつながってネットワークを作り、電気信号を伝えることで思考や感情が生まれます。神経細胞のつなぎ目には「シナプス間隙(かんげき)」と呼ばれる隙間があってモノアミンと呼ばれる神経伝達物質を使って信号を伝えます。

うつ病のときにはシナプス間隙にあるセロトニンやノルアドレナリンの量が減っているといわれます。これが、モノアミン仮説です。

しかし、最近の脳科学研究では、神経細胞の成長に関わる物質(脳由来神経栄養因子:BDNF)の働きが低下したり、ストレスに関わる脳の神経回路が乱れたりといった、より複雑な変化が脳内で起こっているとも考えられています。

このようにうつ病の原因についてはさまざまな仮説をもとに研究が行われている段階で、まだはっきりした原因はわかっていません。おそらくうつ病は1つの病気ではなく、さまざまな原因が背景にある複数の病気の総称だろうと考えられています。

環境調整と薬物療法、精神療法の3本柱

うつ病の治療で使われる「抗うつ薬」は、脳内の変化に作用して正常な状態に戻すことで、うつ病の症状を抑えるとされていますが、そのメカニズムはまだわかっていません。確かに効果はあるのですが、その効果には個人差がありますし、薬物療法を受けた患者さんのすべてに症状の改善がみられるわけではありません。ですから、うつ病の治療では、薬物療法に加えて、その症状に応じて、ストレスを軽くして周囲からの支援を受けやすくする環境調整や精神療法(心理療法)を上手に組み合わせていくことが大切です。