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健康・医療

心臓自身の“命綱”「冠動脈」って何?

公開日:2017年12月1日
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重い荷物を持ったり、長く走ったりするとき、腕や脚の筋肉はたくさんのエネルギーを消費します。エネルギーとなる栄養や、それを燃焼させるための酸素は血液によって筋肉まで運ばれます。

1日24時間で約10万回、それを1年365日、休むことなく動き続けている心臓の筋肉(心筋)も、たくさんの栄養と酸素を必要としています。運動しているときはもちろん、寝ているときも心臓は動き続けているので、心筋が必要としている血液はかなりの量になります。実は、心臓から全身へ送り出される血液のうち、5%もの血液が心筋に送られているのです。重量にして200g程度の心筋には、贅沢すぎるくらいです。

冠のように心臓を覆う血管

心筋に血液を送っている血管は、「冠動脈」といいます。心臓の表面を冠のように覆っていることから、こう呼ばれているのです。

冠動脈は大動脈(心臓から血液が送り出される太い血管)の付け根付近から枝分かれし、心臓の表面に伸びています。左心室から押し出された血液の一部が真っ先に冠動脈に入り、心筋に届けられるのです。

冠動脈には「左冠動脈」と「右冠動脈」があり、それぞれが枝分かれしながら、心臓全体を覆い、心臓のすべての心筋細胞に血液が送られます。

心筋に栄養と酸素を届け、老廃物と二酸化炭素を受け取った血液は、冠動脈と並んで走る冠静脈を通り、右心房に戻ります。

“命綱”が危うくなることも!?

心臓は、冠動脈が送り届ける栄養と酸素によってエネルギーをつくり出して動くのですから、冠動脈は心臓にとって“命綱”だといえます。この大事な血管が、動脈硬化によって狭くなってしまうことがあります。ただし、前述のように贅沢すぎるくらいの多くの血液が冠動脈を流れているので、ちょっとやそっと狭くなっても心筋の働きに影響は出ません。

それでも、動脈硬化が進んで〔通常は内腔(ないくう)の75~90%以上狭くなり〕心筋に十分な血液が届かなくなると、心筋は酸素不足の状態に陥ってしまいます。心筋に送られる血液が一時的に不足する病気が「狭心症」です。冠動脈の一部が完全に塞がり、その先に血液が送られなくなるのが「心筋梗塞」です。

心筋梗塞で心筋が大きなダメージを受けた場合、命に関わることもあります。冠動脈はまさに心臓にとっての命綱なのです。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2017年12月1日)。