まいにち健康チェック
健康・医療

糖尿病の人や高齢者は要注意。“胸の痛みがない”心臓病もあります

心臓病のなかで、よく知られているのが「狭心症」と「心筋梗塞」です。心臓に酸素や栄養を送っている「冠動脈」が狭くなったり、詰まったりして、心臓の筋肉(心筋)が酸素不足になって起こる病気です。どちらも、「突然、締めつけられるような胸の痛み」が起こるのが特徴。なかには胸の強い痛みがなく、狭心症や心筋梗塞が起こっていても、気付かないことがあるのです。これを「無症候性心筋虚血」といいます。

痛みの感じ方に異常あり!

ふつうは、狭心症や心筋梗塞が起こると、心筋でさまざまな化学物質がつくられます。その化学物質が心臓の神経を刺激し、それが脳に伝わって“痛み”を感じます。では、無症候性心筋虚血は、どうして痛みを感じないのでしょうか。これには「糖尿病」と「加齢」が深く関係しています。

糖尿病が続くと、高血糖によって心臓の神経が障害されます。すると、化学物質による刺激をキャッチしにくくなり、狭心症や心筋梗塞が起こっていても、痛みを感じにくいのです。また、歳とともに「痛覚閾値(いきち)」が上がっていきます。痛覚閾値とは、痛みとして感じる最低レベルの刺激のことをいいます。つまり、歳をとればとるほど、多少の刺激では痛みを感じなくなるため、無症候性心筋虚血が起こりやすくなるのです。

無症候性心筋虚血は、痛みがないからといって、心臓へのダメージが少ないわけではありません。繰り返すうちに「心不全」を招いたり、「突然死」に至ることもあります。

加齢はしかたない。でも血糖は改善できる

歳をとることを止めることはできませんが、糖尿病はコントロールすることができます。糖尿病は、心臓病の重大な危険因子。実際、糖尿病の人の心臓病の死亡率は、糖尿病でない人に比べて2~3倍も高いとされています。症状の有無にかかわらず、きちんと「血糖コントロール」に取り組んでいくことが大切です。

また、以前に狭心症や心筋梗塞を起こしたことのある人も、無症候性心筋虚血を起こしやすいことがわかっています。当てはまる人は、欠かさず定期的な検査を受けるようにしましょう。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2017年12月1日)。