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健康・医療

知っておきたい降圧薬の使い方

公開日:2018年2月21日
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料理に香りや辛みをつけたり、色をつけるのに欠かせないスパイスやハーブ。スパイスやハーブは、一度に大量に使うのではなく、味や色を見ながら少しずつ加えていきます。実は降圧薬の使い方もこれによく似ているのです。

最初に使う降圧薬は、一次選択薬のカルシウム拮抗(きっこう)薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬の4種類から選ばれます。一次選択薬の降圧効果は、おおむね同様です。そのため、予想される副作用からその人に好ましくない薬を避け、さらに特定の薬がその人に好ましい場合は、その薬を選びます。

作用の異なる降圧薬を併用する

高リスクと判断される高血圧の場合は、できるだけ早い時期からの降圧薬服用が勧められます。高リスク以外では、1~3か月くらい生活習慣を改善して様子を見て、降圧が不十分なら降圧薬が必要になります。医師は、一次選択薬のなかから1つを選択し、血圧の状況によって少量~中等量を処方します。

最初に処方した降圧薬で降圧目標に到達しない場合、その降圧薬の量を増やすか、別の降圧薬を併用するか検討します。通常、異なる作用の降圧薬を併用するほうが降圧効果は大きくなりますが、個々の患者さんの状況に応じて、医師が判断します。

単一の降圧薬で降圧目標に達することができるのは、高血圧患者の3割くらいです。多くの場合は、2~3つの降圧薬が必要になることを知っておいてください。

最近の米国の臨床試験では、クリニック血圧の降圧目標を収縮期血圧120mmHg未満としたグループと、通常の降圧目標である収縮期血圧140mmHg未満にしたグループが比較され、収縮期血圧120mmHg未満を目標にしたほうが心不全と心臓血管系疾患による死亡リスクが減ることが示されました。この研究では、診察室とは別の部屋で自動血圧計を装着して5分安静後、1分おきに3回測った血圧の平均値を診察室血圧としています。通常の診察室血圧の測定方法とは異なりますが、きちんと降圧することの重要性は再確認されました。

降圧薬の種類と量が増えれば、副作用の頻度も高くなりますが、定期的に通院し、必要に応じて検査を受けていれば、今の降圧薬は安全に使用できます。副作用を恐れて中途半端な降圧をするよりは、医療者と二人三脚で高血圧治療に向きあい、それぞれに提示された降圧目標を目指してください。