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健康・医療

けなげに働く「インスリン」によってブドウ糖は全身で使われる

公開日:2018年3月7日
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私たちは、1日に少なくとも500g、身体活動量の多い人であれば700gものブドウ糖を毎日消費しています。では、食事で摂った「炭水化物」は、どのようにして「ブドウ糖」となり、利用されるのでしょうか。

そこには、膵臓(すいぞう)から分泌される「インスリン」というホルモンが深く関係しています。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込んで利用するように働きかけ、血糖値を常に正常域に調整しているのです。

食べる前から、インスリンは働き始める

食事を前にして、香り、匂いを感じ、舌で味わうやいなや五感の情報が脳に伝わり、脳は膵臓に指令して、インスリン分泌を高めます。まだ血糖値が上昇していないのに、食べ物が体内に入ってくることに備えるのです。そして、食事を始めるやいなや“入ってきた”という物理的な刺激が胃腸のホルモン、さらにインスリンの分泌も高めます。

食事で摂った炭水化物は、同時に摂った食物繊維や脂肪などに混ざりゆっくりと分解され、ブドウ糖となり、腸から吸収され、血液中に入ります。すると、血糖値が上昇したことを感知し、膵臓は素早くインスリンを多く分泌します。

腸から吸収されたブドウ糖は門脈(もんみゃく)という太い静脈を経て肝臓に入ります。膵臓から分泌されたインスリンも門脈を経て肝臓に流入します。インスリンとブドウ糖の“カクテル”が肝臓に流れ込み、肝臓はブドウ糖の大半を取り込みます。

健康なら“多少のむちゃ”でも高血糖にはならない

肝臓を通り抜けたブドウ糖が全身に流れると血糖値が上昇しますが、食後であってもピークが150mg/dLを超えることはありません。全身の細胞に供給されたブドウ糖をインスリンが有効に利用できるようにするので、食後も血糖値は速やかに食前の値に戻るのです。

このようなことが1日に何回も繰り返されているのです。だからこそ、糖尿病になるまでは、たとえ暴飲暴食を繰り返していても、血糖値が異常に高くなることがないのです。これはまさに“インスリンのおかげ”。裏を返せば、糖尿病を発症したあなたの体では、こうしたインスリンの働きがうまく機能しなくなっているということです。