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健康・医療

スーッと下がって急上昇! お酒は体にいいの? 悪いの?

明治から昭和にかけて日本画壇をリードし続けた巨匠「横山大観(よこやまたいかん)」。大観は酒好きとしても知られ、食事は日本酒と少量のさかなで済ませていたそう。酒量は半端ではなく1日2升だったとか。それでいて89歳の大往生。よくぞ長生きしたものです。

大観のような超人は別として、普通は1日に2升も飲み続けると肝臓に異常が起こり病院へ行くことに。血圧はどうかというと、普通に飲む分には一時的に下がります。特に、日本人に多いお酒を飲むと顔が赤くなる「フラッシャー」と呼ばれるタイプは、一時的に血圧がかなり下がります。

“やっぱり酒は百薬の長だったのか!”と早合点は禁物。確かに、フラッシャーはお酒を飲むとかなり血圧が下がりますが、酔いが覚めてくると、血圧上昇に転じるのです。お酒を飲んで血圧が下がるのはアルコールの作用で血管が拡張するためだろうと推測できます。問題は、なぜ酔いが覚めてくると血圧が上がるかで、その原因には諸説あります。

尿が出ようが出まいが血圧は上がる!

例えば、アルコールによる利尿作用により、カリウムやマグネシウムといった血圧を下げる作用がある電解物質が排せつされてしまうという説。また、飲酒して脈が増えてドキドキするのは、交感神経に対する作用ですが、それが持続して血圧が高くなるという説。

一方、ナトリウムがたまるからだという説もあります。お酒を飲んで寝ると、血圧が下がりすぎて、腎臓からナトリウムが排せつされにくくなるという説もあります。

睡眠時無呼吸症候群を原因とする説もあります。お酒を飲んで寝ると緊張がほぐれて筋肉が緩みます。空気の通り道である「気道」の周りの筋肉も当然緩みます。その緩んだ筋肉で気道が塞がると一時的に無呼吸状態に。すると、呼吸を再開させるために脳が目覚めるので血圧が高くなってしまうというわけです。

アルコールの適量は……?

アルコール飲料に含まれる純アルコール(エタノール)量は、容量パーセントで表示されます。例えば、5度のビール100mLには5mL、25度の焼酎100mLには25mLのエタノールが含まれています。高血圧の場合、エタノールとして男性は1日20~30mL、女性は10~20mL以下が適量とされています。女性はアルコールの影響を受けやすいので、少なく設定されています。

アルコールが好きな人は、飲むスピードが速いのも問題です。飲んだアルコールが胃腸から吸収されて効いてくるのに20分くらいかかります。チェイサーとして水を用意し、1杯を20分かけて、ゆっくり飲みましょう。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2017年11月28日)。