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健康・医療

インスリンが全く分泌されなくなった「1型糖尿病」を知っていますか?

糖尿病は、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に大きく分けられます。日本人の糖尿病の98%以上は生活習慣を原因とする「2型糖尿病」です。では、1型糖尿病とはどんな病気でしょうか。ここでご紹介しましょう。

1型糖尿病は、主に若年者に発症する

2型糖尿病のリスクが年齢とともに増加するのに対し、1型糖尿病は小児から青年期の若い年代でも発症し、さらに高齢者でも発症します。

1型糖尿病は、「インスリン」というホルモンを分泌している膵臓(すいぞう)の「β(ベータ)細胞」が破壊されることで起こります。インスリンを分泌するβ細胞は、膵臓の「ランゲルハンス島」という部分に点在しています。ドイツの病理学者、ランゲルハンスが膵臓の中でホルモンを分泌する細胞が集まって、“島”のように見えることを発見したことから、ランゲルハンス島と呼ばれています。

β細胞の破壊によって1型糖尿病が引き起こされる原因は多く考えられますが、その1つに「自己免疫」が挙げられます。「免疫」とは本来、異質、あるいは体外のものに対してだけ発生する生物現象で、感染などに対して防御してくれる大切な働きです。ところが「自己免疫」とは、自己の体内に常在している物質に対して生じる免疫現象を意味します。膵臓のβ細胞を異物だと“誤って認識して”攻撃して破壊してしまうのです。その引き金としてウイルス感染症などが挙げられますが、まだよくわかっていません。膵臓のβ細胞が破壊されるとインスリンが分泌されなくなるため、急激に1型糖尿病が進行するのです。たった数日で高血糖昏睡(こんすい)状態に陥ることすらあります。

1型糖尿病では、絶対的に不足しているインスリンを補充する「インスリン療法(インスリン注射)」が生きていくために不可欠です。また、食事療法、運動療法も同時に行っていき、血糖値を健康な人と同様の状況にコントロールしていきます。