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健康・医療

心臓病診断の切り札! さまざまな「心臓カテーテル検査」

「カテーテル」とは、細くて軟らかい医療用の管(チューブ)のことです。カテーテルを用いた世界初の医療行為は、紀元前3000年のエジプトにまでさかのぼります。金属パイプを用いて膀胱(ぼうこう)を観察したのが、最初だといわれています。その後、ギリシャではヒポクラテスの時代に、遺体の心臓を葦(あし)のパイプで観察したことが記録に残されています。

現在の「心臓カテーテル検査」で用いられるのは、直径2mm以下のカテーテルです。太ももの付け根や腕、手首の血管から心臓までカテーテルを挿入し、心臓の状態を詳しく調べます。多くの心臓病の診断や治療方針の決定に用いられているのです。

疑われる病気によって異なる検査法

カテーテルを心臓まで挿入してから、何をするのかは、疑われる病気によって違います。

・「狭心症」「心筋梗塞」が疑われるとき
カテーテルから冠動脈内に造影剤を注入して、エックス線撮影をします。そうすると、冠動脈のどの部分が、どの程度狭くなっているのかがわかります。ただ近年は、心臓カテーテル検査より身体的負担の少ない「冠動脈CT検査」が行われるようになり、心臓カテーテル検査は必要のないこともあります。

・「不整脈」が疑われるとき
心臓は、心臓内から発生した電気刺激が順に伝わることで、規則正しく拍動を繰り返しています。この電気刺激の伝わる経路(刺激伝導系といいます)に何らかの問題が生じて起こるのが不整脈です。そこで、カテーテルの先端の電極で心臓内の心電図を記録したり、電極から電気刺激を与えたりして、刺激伝導系の異常を探ります。

・「心筋症」が疑われるとき
心筋症は、心臓の筋肉(心筋)に異常が起こって、“ポンプ機能”が低下する病気です。カテーテルを通して特殊な鉗子(かんし)で心筋の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べると診断できます。

・「心臓弁膜症」が疑われるとき
心臓の内部には、血液の流れを調節する弁が4つあります。この弁に異常が起こるのが心臓弁膜症です。カテーテルから心臓内に造影剤を注入してエックス線撮影をすると、どの弁に異常があるかや、異常の程度がわかります。カテーテルで心臓内の圧を測定することもあります。このように疑われる病気に合わせて検査方法を変えることにより、早く正確な診断ができるのです。