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健康・医療

“糖質制限” をするとコレステロール値が上がる!?

「体重を減らさなきゃいけないから、話題になっている“糖質制限”の食事を始めてみようかな」。そう思っているあなた、ちょっと待ってください。

炭水化物を減らす、いわゆる糖質制限(炭水化物制限ともいう)をすれば痩せるかもしれませんが、コレステロール値はむしろ悪化してしまう可能性があるのです。

脂質と炭水化物は「シーソー関係」

脂質の摂取量が非常に多く、「心筋梗塞」が国民病だったアメリカで、こんなことがありました。

心筋梗塞を減らすため、脂質摂取を制限するよう一大キャンペーンを行ったときのことです。そのキャンペーンのおかげで脂質摂取量は減ったものの、炭水化物の摂取量が過剰になってしまったのです。その結果、「糖尿病」や「肥満」の人が増え、心筋梗塞の予防にはならないという結論に至りました。

アメリカではその後、脂質摂取の制限キャンペーンをやめて、糖尿病や肥満対策としての炭水化物制限(過剰摂取の抑制を目的とするもの)に取り組んでいます。

炭水化物の制限は、これらのとりすぎが原因で起こっている糖尿病や肥満の治療には効果的だと考えられます。しかし、コレステロール値が気になるという理由だけで行うのは、お勧めできません。

上記の例でみられるように、脂質の摂取量を制限すると、多くの場合、炭水化物の摂取量が増えていきます。では反対に、炭水化物の摂取量を減らすと? 改善したいはずの脂質の量が増え、コレステロール値はますます上がってしまうでしょう。

最適な食事療法は人それぞれ異なる

また、コレステロール値が気になるという人は、血中脂質の異常以外にも、さまざまな病気にリスクを併せもっている人も多いという特徴があります。

例えば、腎臓の機能が低下していた場合に炭水化物を減らすと、脂質やたんぱく質の摂取量が増えてしまいます。腎臓病では、たんぱく質をあまりとらないようにするのが治療の基本です。たんぱく質の摂取が増えると、腎臓の状態を悪化させることにつながります。

このように、食事内容はそれぞれの健康状態によって注意事項が異なります。ちょっと炭水化物を控える程度であればともかく、本格的に炭水化物の制限を始めようとしている場合には、管理栄養士などの専門家によく相談しましょう。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2018年5月16日)。