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注射で治す「皮下免疫療法」とは?

公開日:2018年6月6日
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花粉症の「免疫療法」には、従来から行われている「皮下免疫療法」と新しい治療法の「舌下免疫療法」があります。舌下免疫療法が普及しつつある一方、皮下免疫療法を受ける人はそれほど多くありませんが、メリットもあります。今回は、皮下免疫療法の方法や効果について説明します。

注射で体質改善を目指す!

皮下免疫療法とは、花粉エキスを注射で体内に投与して、体質改善を目指す治療法です。

通常、初回から3か月目までは1週間に2回、薄めた花粉エキスを注射します。その後は、2週間に1回として、エキスの量を少しずつ増やしていきます。その後3~4か月目以降は1か月に1回の注射を最低2年間、できれば3年間以上続けます。

副作用で多いのは注射した部位の腫れですが、通常は自然に治ります。まれにぜんそくや呼吸困難、アナフィラキシーショックなどが起こることがあります。そのときは、直ちに医療機関を受診してください。

7割に効果あり。そのうち2~4割は根治!

効果については、皮下免疫療法を受けた患者さんの約70%に症状軽減などの効果がみられ、そのうち20~40%は寛解(症状が治まって良好な状態)と認められています(*)。治療を3年間継続した場合、多くの患者さんで効果は10年間以上続くといった報告もあります。

ただし、効果を実感できない患者さんも20~30%ほどいます。治療開始から1年をめどに効果がないようであれば、ほかの治療法への変更も考慮します。

皮下免疫療法のメリットとしては、スギ花粉に対する皮下免疫療法を行うことで、スギ以外の花粉症を発症するリスクも減らせる可能性や、小学生以上なら子どもでも受けられることなどがあります。

また、舌下免疫療法は毎日行わなければいけませんが、皮下免疫療法は治療が進めば1か月に1回で済むので、煩わしくないという患者さんもいます。費用も少なく済みます。

皮下免疫療法を希望する人は、まずは主治医に相談してみてください。また、皮下免疫療法から舌下免疫療法に切り替えたいという患者さんもいますが、皮下免疫療法で効果があり、副作用が出ていないのなら、そのまま継続したほうがよいでしょう。

(*)岡本美孝ほか「小児耳鼻咽喉科」2008年