まいにち健康チェック
運動

健康長寿は運動次第!? 病気があっても長生きできるかも

糖尿病やメタボリックシンドロームがあると、動脈硬化から脳卒中や心筋梗塞を起こしやすいことはよく知られています。しかし、運動習慣があって体力がある程度高いと、たとえ病気があっても脳卒中や心筋梗塞で死亡するリスクは大きく低下します。

運動習慣が低下させる「死亡リスク」

運動不足が健康に与える影響は大きく、身体活動量の少ない人は運動する人に比べ早死にするリスクが増加します。

国立がん研究センターが、8万人以上の男女を2005年までの約9年間追跡調査した結果では、身体活動量の少ない人は多い人に比べて死亡リスクが男性で約1.37倍、女性で約1.64倍も高かったのです。

運動不足が死亡リスクを増加させる理由の1つとして考えられるのは、運動不足によって肥満や高血圧、脂質異常症、インスリンの働きが低下する「インスリン抵抗性」などが生じ、動脈硬化や糖尿病、循環器疾患などの生活習慣病リスクを高めることです。また、運動不足は、結腸がん、乳がん、前立腺がん、子宮体がんなど、いくつかのがんのリスクも増加させます。

病気がなくても、運動しないとリスクは高まる

運動が体によいことは何となくわかっているものの、中高年になってから運動を始めるのがおっくうで、何もしないまま年を重ねてしまう人が少なくありません。中高年になっても、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がない人は、特定健診で指導を受けることもなく、「自分は大丈夫」と、安心している人も多いでしょう。

ところが、そういう人でも隠れたリスクがあるのです。

「生活習慣病などの病気がある人とない人では、病気がある人のほうが、死亡リスクが高い」

これは当然ですね。でも、病気がない人でも運動習慣のある人とない人がいますし、病気がある人のなかにも、数は少なくなりますが運動習慣のある人がいるはずです。

では、病気があって活動量が多い人と、病気がなく活動量が少ない人では、死亡リスクはどのような関係になっているのでしょうか。
多くの研究の結果は、「両者には差がないことが多い」です。

たとえ肥満していても、たとえ糖尿病やメタボリックシンドロームでも、運動習慣があって体力レベルが高いと、これらの病気がなくて体力レベルの低い人と同じ程度の死亡リスクとなるのです。運動が、意外に大きな影響を及ぼすことがおわかりいただけると思います。

国立がん研究センターの調査では、体を動かすことの健康効果は、身体活動の種類によらないとしています。病気がある人やその予備群の人に、運動をしてもらい病気の予防や改善効果を調べると、病気によってそれぞれ有効な運動の仕方が異なることがうかがえます。また、海外の成績では、高い強度の運動では、中強度の運動よりエネルギー消費量が少ない段階から死亡リスクの低下が顕著になりました。

しかし、一般の人が一般的な健康を目的として体を動かす場合、仕事や家事、スポーツなど、どんな運動でも自分なりのやり方で動く量を増やせば、それなりに死亡リスクを低下させることが期待できるのです。